その日・・・

その日は友人と二人旅でした。
水戸の偕楽園で梅を見ながらお弁当。
あたたかで、いいお天気で気持ちのいい日でした。

バスで駅に戻って、いわき湯本へ向かうため、駅の構内にいた時でした。
最初のゆれ、駅の構内だったこともあり、「電車が来たからじゃない?」と思っていました。
しかし、ミルクスタンドのお姉さんの口元が「地震、地震」と動いていました。


外に避難、と思った時には既に激しい揺れに・・・。
前を歩いていたおばあちゃんがしゃがみこみます。
続いて、友人も。
立っていられない状態でした。

自分が乗っている駅前歩道橋と駅側のつなぎ目が凄く動いていました。
歩道橋落ちるかも、と思い、駅側に戻って必死になって歩きはじめます。
友人と手をつなぎながら、一歩ずつ、ガラスには近づかないよう気をつけながら・・・。

バスロータリーには大勢の人。
ビルで働いている人やお買い物に来た人、みんな呆然としていました。
よく見ると足元の道路も陥没していました。


「三の丸小学校に避難しまーす」
女の人の声がしました。
とにかく、街中は怖い。ビルもたくさんあって危険な状態。

「どうする?」「避難したほうがいいよね?」
もちろん、地理がわかるはずもなく、人の波に一緒についていきました。

看板の落下、石組みの花壇が崩壊、ドアが開かなくなって蹴飛ばしている人、
倒れた人に声をかける人。
落下物のせいか、空気が全体的にほこりっぽくなっていました。



小学校のグランドで、何度も地響きとともに余震がきました。
そのたびにしゃがみこむ私と友人。
何もできない・・・。あー、家に帰りたい。

近くに一人でいた女性が話しかけてくれました。
3人の方が心強いから、一緒にいましょう、と話しました。
美容院で座ったとたん地震にあったこと、
福島の息子さん、隣の市にいるご両親と連絡が取れないこと。
人と話すことがこんなに心強くなれることなんだと、初めて知りました。
この人が、私たちを助けてくれました。



彼女は、車で駅前まで来ていました。
余震がおさまってくると、小学校から出て行く人が増えてきます。
「どうする?」
「車を出せたら、郊外まで送ってあげる」
その言葉に、グランドで一人だったもう一人の女性と一緒に小学校を出て駅に向かいました。

再び駅前。
駅構内は停電で真っ暗、入れる様子はありません。
最初に乗っていた歩道橋もロープが張られて、人の姿はありませんでした。
たくさん止まったバスの間を抜け、駐車場へ向かいます。

「車出せますか?」「大丈夫ですよ」
よかったー。これで帰れるね。
真っ暗な地下駐車場、係員さんが懐中電灯で足元を照らしてくれました。
ドキドキしながら4人で手をつなぎながら歩き、車に乗り込むことができました。


ここから長い夜が始まります。
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by nokyu | 2011-03-14 15:41 | Thank you